京都 蔵丘洞画廊

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絵と人に出逢う

絵と出逢う

2009年11月24日

11月23日まで東京コンテンポラリーアートフェアー(TCAF)に参加して参りました。 先月のシンガポールでのアートフェアーに続いてのイヴェント出展でしたが、東京の経験では最近の現代美術と云う捉え方について胸中に寂しくも複雑なものが去来しました。

もともとシンガポールのそれと今回の東京の催しとはグレードも違うので、最初からそのつもりで東京用にかなり若い層の方用の提案を組み立てていったつもりでしたが、成績以前に、多くのことを感じました。

そのうちのひとつ、出展画廊とその出品者の身内といった関係者か、同業者かアーティスト、はたまた関係雑誌社といった来場者が多いのは仕方ないことだが、本来の目的であった一般愛好家などへ美術愛好家の広がりの場としてアピール出来たのなら嬉しいのですが。(まず取り組むことが大切には違いないのですからイベントにたいして決して批判的な意味でなく、出展する側としての反省をこめて。)

もう一つは、益々若年化したかの様相が作品内容と価格にみられ(もちろんそうでない立派な主張とした出展画廊さんもありましたが)、このままいくと行く末は美術品はアーティストが創るものじゃなくて、自分が撮影した写真にサインし値段をつけて充分というものになりはしないか。と、いささか過激な心配もよぎります。

新しい層の方々に美術に触れてもらう機会を提供するといったところから、近年ホテルを使ったり、より身近なイヴェントも企画されていますが、これからの美術品愛好者にどのような美術の提案をするのか、美術商としての自覚と責任を、文化に関わる仕事として意識していきたいものです。

文責 岡 2009.11.24