京都 蔵丘洞画廊

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絵と人に出逢う

洛中雪化粧~年の暮れ~

2011年1月18日

2011年になりました。早いもので21世紀も10年が経過しました。今年は特に寒さが厳しく感じます。
昨年の暮れの話です。
2010年の暮れ朝窓を開けると雪が積もっていた。いつもの景色がまったく違うものに見えた。ここ数年、京都の街中での積雪は珍しい、雪が舞うことはあるものの積雪はあまりなかったように思う。ある作家の絵で京都の家並みに雪がしんしんと降る作品があった。しかもそれは大晦日の夜の景色といわれている、その並ぶ甍に雪が降りつもり、慌しいはずの年の暮れが静寂につつまれ、神聖な時間の訪れを感じさせる。京都はどちらかといえば雪は少ない方だ、しかし雪が良く似合う街だ。そんな絵を思い出した。そしてその絵のままの景色が現実にひろがっていることに小さいながらも感動を覚えました。雪国の人に言わせると雪なんてものは生活を困らす要因であると。しかし雪国ではない土地に雪が降ると普段の景色がひきしまり凛として、街全体がなにか浄化されるような気分になる。そんなことを思いながら、ふと気がつくと大晦日、今年はもう今日で終わりであった。2010年はこうして暮れていった。

文責、池内、2011,1,18