京都 蔵丘洞画廊

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絵と人に出逢う

没後三十年 須田剋太特集『抽象(現代の記号)』によせて

2020年7月

カンディンスキーばりの此の抽象は紙に描かれたものとは思えない程、表面に多くの深いエンボス状の窪みや突起がみられる。着彩はグワッシュ、パステルなど様々な材により描かれている。
裏には制作年やサイン等の記述が施され、作家が自分で額装したことがわかる。60年以上前の作品で額には幾つもの小傷が見受けられます。
余談ですが、美術館に行くときの楽しみの一つは額を見ること。大層な名画に思いもよらない簡単な木片が付いていたりすると、作家が無名時代だったのかと思ってしまうが、それでも逆にその簡易な様子が守られていることに凄さを感じてしまう。このオリジナル感がうれしい。
須田剋太50代、豊かさを実感することの無い中で最も充実した時期の作品。
売るのが惜しいけれど、どうぞ良い方の処に嫁に行ってねと思う秀作です。

 

蔵丘洞主人 岡 眞純拝