長谷川可奈 木版画展
親指姫シリーズ『 自由のはね 』 ( 71 × 57 cm )
古来より洋の東西を問わず、多くの画家たちは、女性を女神、あるいは娼婦に見立て、自らの理想とする美を惜しみなく注いで表現し続けた。浮世絵の美人画も同様で、その美しさはあのゴッホやモネをも虜にするほどであった。
長谷川可奈の木版画は、細く流麗な線とビビッドな色彩で摺られ、まるでイラストレーションのようだが、実は伝統的な浮世絵版画を強く意識した作品である。しかし美人画とは異なり、長谷川の描く女性像は、美の体現者としての理想像ではない。
無防備な肢体に表れたのは、あるがままに存在することを望む女性の意思である。理想から抜け出し、自らの足で立ち上がった彼女たちの姿こそ、当世風の
美人画にふさわしいと言えるだろう。
― 版画芸術NO161 「21世紀浮世絵」の女たち より
作家略歴
- 1986年
- 兵庫県生まれ
- 2010年
- 京都造形芸術大学洋画コース卒業
- 2012年
- 同大学大学院修士課程芸術表現専攻版表現領域修了
京都造形芸術大学大学院修了制作展・専攻長賞
灰かぶりシリーズ『 良いマメ悪いマメ 』 ( 50 × 50 cm )
灰かぶりシリーズ『 金の靴 』 ( 50 × 50 cm )
開催概要
長谷川可奈 木版画展
~ 弱きもの、汝の名は女なりや? ~
- 日時:
- 2013 年 9 月 1 日( 日 ) ~ 9 月 14 日( 土 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休
作家在廊予定日: 9 月 1 日 ( 日 ) - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)