井上有一 展
『 63014 剛 1963 年作 』 ( 121 × 160.5 cm 凍墨、和紙 )
PDF 版「井上有一小冊子 2 」がこちらでご覧いただけます。
- 井上有一展に際し -
20 世紀の美術を総括検証すると、過去近代美術のトレンドはヨーロッパからアメリカへ、そして今日アジアへバトンが渡されようとしているのではないでしょうか。
有一がアジアから唯一ピカソやポロックに並ぶ美術として紹介された、ハーバート・リードの著書「 近代絵画史 」は 1959 年のこと。
浮世絵が西欧印象派の作家達に影響を与えて以来と言えるほどの快挙と評価する人もいますが、世界の経済と美術はまだ土俵をアジアに渡す趨勢にはなかったといえましょう。
そして巡ってきた現代。世界の経済が収縮偏向するなか美術の歴史はアジアとのかかわりから再発見し、新しい潮流を生み出す必然へと迫られています。
1 月 2 日より 3 月 21 日迄開催された金沢 21 世紀美術館の有一展や、秋に中国より出版を予定されているという有一の全画業( 補遺版を含む )を示すカタログレゾネの復刻事業という動きがどういった意味を持つのか。
単なる民族美術ではなく世界基準で評価される芸術。有一の墨は東洋の気韻を宿しながら、西欧美術と脈絡を通じる美術造形として改めて注目されています。
昨年に続き、本年は生誕 100 年となる有一の現代性をご覧いただく機会にしたいと存じます。
蔵丘洞主人敬白
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開催概要
井上有一 展
- 日時:
- 2016 年 4 月 2 日( 土 ) ~ 4 月 23 日( 土 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)