井上有一 展
『 喝 』 1961 年作 凍墨、和紙 114.5 × 165.1 cm
有一の仕事は顔真卿の臨書や大燈国師などに比するかの、いかにも堂々とした、誰がみても立派な作品があるかとおもえば、書き損じた字画の上から何事もなかったかのように重ね書きしたもの、或いはどこか気の抜けたような作品も多数在る。
『一度、一切の技術を捨て原始に、子供に還り素朴で純真な人間革命を為さねば後世に残る偉大な芸術とならない。』とは有一の言葉。
氏の芸術は一筋縄ではなく、一面の優れたものを珍重するだけでは受け止められないスケールで私達の器を試すようです。
今日世界で注目される有一の作品は、当時交流の有ったアメリカの抽象絵画の作家たちと比した造形意識も無縁ではありません。書の源郷である中国までもが評価する、その芸術を私たちのプライドとしたいものです。
蔵丘洞主人敬白
開催概要
井上有一 展
- 日時:
- 4 月 7 日 ( 土 ) ~ 28 日 ( 土 )
10:30 AM - 6:30 PM 会期中無休 - 会場:
- 京都・蔵丘洞画廊(〒604-8091京都市中京区御池通寺町東入ル)