絵と人に出逢う
2008年2月15日
一年で一番寒い時期です。この1月から画廊のスタッフとして働いてくれている池内君は東京育ちの人で、どういう訳か京都の伝統的ないわゆる京町屋住宅に憧れて、大人になったら絶対京都に住むんだとの決意を形にした人ですが、このあまりに寒い(特に京都の伝統的な和風住宅の代表町屋建築は中庭まで風が通るように造ってあって夏仕様)初めての経験に、足元からジンと堪えて家の中で凍ってしまいそうと悲鳴をあげて哀れな感じです。
こんな寒い時期でも京都には別の 楽しみもあります。2月24日まで当画廊から歩いて10分の京都文化博物館で東山魁夷と川端康成というなかなか面白い企画の展覧会をやっています。
著名な文化人が同時代を生きその交流に着眼したもので、私も過去に芸術院会員の巨匠の方々による天空会という展覧会をさせていただいていたことがありますが、なかでたとえば日本画の小倉遊亀先生にお会いすると、洋画家の牛島憲之先生のご様子などを盛んにお尋ねになる。そこでお二人はお親しいのかと尋ねると、滅多にお会いすることもないし、お話しすることも特にない、とのこと。なのに私を介しいろいろなことでお噂をし合う関係。 なんとなく互いに気になる存在なのだという。一見繋がりの無いようにみえる作家の方も心の中でどこか繋がっている良きライバル。しらず知らず同時代を生きるものどうしが繋がって文化を創るということがありましょう。
川端康成書 24×27㎝
掲載の作品は絵画ではありませんが川端の書小作品ですが、寒い冬にこそ一人でじっくり眺めて観たい作品です。(売り物です。ご興味の方お気軽にお問い合わせください)
文責 岡 2008.2.15