絵と人に出逢う
榊作品鑑定窓口
作家の没後暫くして、『先生がお亡くなりになって久しいけれど、懐かしかったので近頃こんな作品を購入しました』など遺族の方の知人からの知らせのなかに、一目で贋物とわかるものがあって困ってると言うお声をいただいたのは10年以上も前のこと。
作家には生前お世話になったこともあり、以来鑑定会を立ち上げてその窓口としてやってまいりました。
時の流れとともに鑑定作品の依頼件数も少なくなって来ておりましたところ、私どもが画廊を閉めることになりまして、昨年から取次作業も不自由となっておりました。
一方、榊家には先生の資料が多く残されていて写真での判別も可能である事が分かりましたのでこの度鑑定の方式を改めさせていただきました。
それにしても贋物は相変わらず制作されており、凡そ犯人もわかってまいりましたが、なかなか止めることはできません。
折角腕を磨いて贋物を作り出したのでしょうし、止めてもその金員が毎月道に落ちているという生活はないのでしょう。
贋物が多いと作品を扱う販売業者のかたも不安になられるものです。やはり鑑定書は安心札になります。この度の当方の鑑定方式変更に伴い流通に関わる方々のご面倒は増したと存じますが、どうかご理解ご尽力いただきたいと存じます。